山口嘉夫文庫

YY版 徒然草 (I)
「YY版 徒然草」の第1版を掲載します。

世界を舞台に活躍された理論物理学者山口嘉夫先生が、その合間をぬって書き留められたことなど
をもとに、その豊かな経験に裏付けされたエッセイ集「YY版 徒然草」をお書きになっているという
噂は数年前にうかがっていました。しかし、その率直に著された内容は多くの先生方にご迷惑をかけ
ることも少なくなかろうというので、その出版は「僕が息をひきとってから」というご意志が固いと
いうこともうかがっていました。それなら、ご迷惑の及ばない部分だけでも公開していただけないか
とお願いしていましたところ、このほど先生から原稿の一部をいただき、アルス文庫に掲載させて
いただくことになりました。全文を読めるのは10~20年後になると思うと、複雑な気持になります。
先生には、米寿、白寿、そして百歳を超えても、なおその厳しさを持って後進を鍛え、20世紀後半の
学術を支えた精神をお伝えいただきたいと希っております。           (中井 浩二)

 前口上

  「これより、かの徒然草の顰みに倣ひ。新装の、YY版徒然草をものしよう。」
に始まる口上はYY先生の歯切れの良い随筆集の展開に大きな期待を抱かせる。

恥ずかしながら「顰みに倣ふ」という表現を知らなかったので「広辞苑」で調べた。
曰く[荘子] : 西施が心臓の病のために苦しげに眉をひそめたのを醜女が見て美しい
と思い、自分もそのまねをしたが、それを見た人は気味悪がって門をとざした。
いたずらに人のまねをして世の物笑いになることにいう。また、
他人に見倣ってすることを謙遜していう。             (注:中井 浩二)

至言、名言、小話
至言:朝永振一郎先生
名言:N. Bohr
小話;VIKI (V.F. Weisskopf) の言葉
小話:天国のPauli
小話:R. Wilson の名答
小話;アメリカのの漫画から(1950中葉)
小話:国際連盟(League of Nations 今の国連の前のもの)華やかなりし頃のGeneveでは エッセイ;エピソード~early 1960’s CERNにいたときに聞いた:~

寸評、評論
寸評:マスコミと政治 — アラブ革命とベルリンも壁の崩壊
評論:失敗こそ成功の鍵(含:日本の原子力)
二国間(イタリア・日本間)国際交流の素晴らしい事例

イスラエルへの旅(1960)
ソ連及びその衛星国の物理–ヒトと研究所

YY版 徒然草 (II)

   「YY版 徒然草」の第2版を掲載します。
第1版は海外における活躍の中から生まれてきたエッセイや旅行記が多く、国内におけるご活躍の
記録・追想などは、この第2版に現われます。先生が理論物理学者として学界を導かれた20世紀後半
の半世紀は、わが国の原子核科学がゼロから立上がって世界のトップ に躍り出た時代でありました。
「昔」を知る貴重な記録の一つになると信じます。そこには当然、先生の率直で透明な視点に基づいた
ご意見が溢れていて読みながら快哉を叫びたくなります。             (中井浩二)

僕の理研への想い
私説:理研と理論物理

苦言提言

     YY曰く
東大の物理でYの講義をきいた者たちが、今や理研の主任研究員や研究Staffになっている者が少
なくない。核や中間子関係の実験のLabにいて大型の予算(装置, Running costs,Travel expenses,…
– Yの核研時代と比べて桁ちがいに多くを得て隔世の感じがある) を消費(浪費?)して研究している。
彼らを叱咤激励し、Tax payerに顔向けできるいい仕事をせよとの叱責の念を籠めて、上のRIKEN
関連の苦言と提言を書いた。(YY)


「アジア物理学会について」の背景

理科の授業について – 更に一般の教育のあり方について –

書評;岩波講座「世界歴史」

     YY曰く
大学紛争の最中、授業もゼミも中断、小田原評定の会議(教授会や教室会議等)はあっても、
甲論乙駁、…事態は一向にはかばかしくない.しかし,理学部一号館につめ夜は見回り、
帰りは終電のころ、本にも飢えていた。そして買ったのが岩波の世界史第一巻、その宣伝
のパンフレットにうまうまと騙されて、駄作を買って了った。
大むくれにむくれて、一気に書いたのがこの書評であった。それを近くに住む学習院教授
(法学部)に見せて岩波の「図書」にもちこんでもらった。
二週間後「大層面白かった」との評つきで帰ってきた。

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